ピンク・パンサー・シリーズサントラ

ピンクの豹
THE PINK PANTHER (1963)

ピンク・パンサー・シリーズの記念すべき第1作目。マンシーニは同年に「シャレード」を作ってオスカー候補になっているが、こちらもなかなかの力の入った作品である。フィルム用とは別個に録音されたスコア盤だから、聴き所がバッチリ押さえられている。プラス・ジョンソンのサックスによるパワフルなテーマ曲は、グラミー賞に輝いている。ジョニー・マーサー作詞の愉快な主題歌 「IT HAD BETTER BE TONIGHT」、主演ピーター・セラーズに捧げたラテン「SOMETHING FOR SELLERS」や、キャプシーヌのための気だるい「ROYAL BLUE」 など、ムーディーなナンバーに溢れた名盤である。

ピンク・パンサー2
RETURN OF THE PINK PANTHER (1975)

10年振りに復活して大ヒットしたピンク・パンサー・シリーズの第3作目。マンシーニが新しいサウンドを模索していた頃の作品で、なるほど新旧がほどよく配曲されている。テーマ曲はより怪しい雰囲気にリニューアル。主題歌「偉大なる贈り物」はハル・デヴィッドが作詞しており、さわやかなコーラスアレンジが冴える。アラビア風の奇妙な2曲が愉快だが、Orange Float、 Wet Lookなど全体にスムースジャズっぽい仕上がりで、やわらかなラウンドミュージックといった要素満載。聴いて心地よいアルバムである。

ピンク・パンサー3
THE PINK PANTHER STRIKES AGAIN (1976)

ピンク・パンサー・シリーズの第4作目のサントラ。お馴染みのテーマ曲は、パロディ満載のワクワクアレンジ。甘美な主題歌「カム・トゥ・ミー」をあのトム・ジョーンズとピーター・セラーズが怪しく歌い、しかも劇中オカマ歌手をブレイク・エドワーズ夫人でもあるジュリー・アンドューが吹き替えているのが可笑しい。全体的に上品なシンフォニックサウンドで、特筆すべきは、哀愁漂う大ヒット曲「クルーゾー警部のテーマ」である。きっと大きな予算で製作されたサントラだろう。なおCD版ではエンハンスドで予告編映像などが楽しめるほか、フィルムから直接録音された音楽が数曲おまけで入っていてうれしい。

ピンク・パンサー4
REVENGE OF THE PINK PANTHER (1978)

ピンク・パンサー・シリーズの第6作目のサントラ。随所にクロスオーバーが意識された、新しいマンシーニサウンド。お馴染みのテーマ曲は ビートの効いた3連リズムのユニークなアレンジに仕上がっている。マンシーニがピアノで参加するラヴ・テーマも2曲、大人のムードでの気だるいサウンドが充実。ヴァイオリンとピアノのクラシック風な曲もある。香港のシーンに使われた「香港の花火」はユーモラスな、いかにもマンシーニといった楽しい曲で、後年彼のコンサートでは欠かせない発表曲だ。我らがクルーゾー警部が熱唱する「サンク・ヘブン・フォー・リトルガール」はアルバムのためのボーナストラック。マーチに合わせて、心臓発作から生還したばかりのピーター・セラーズのとぼけた味が楽しめる。オリジナルアレンジのテーマ曲もミニサイズで収録されており、ファンにはたまらない一枚だ。

ピンク・パンサーX
TRAIL OF THE PINK PANTHER (1982)

ピンク・パンサー・シリーズは主演のピーター・セラーズの急死で幕を閉じたかと思いきや、なんと!ブレイク・エドワーズ監督が、未公開映像をつじつまが合うようにつなぎ合わせて仕上げたというもので、これまでのシリーズを振り返ることで故人をしのぶ趣向だ。サントラはシンフォニックなメインタイトルほか2曲のみ新録で、あとはシリーズのベストアルバムという構成。日本既発売の音源ではモノラルだった「暗闇でドッキリ」がステレオで聴けるなど、ちょっと得した気分になる。

ちなみに、このあとさらに CAUSE OF THE PINK PANTHER (邦題は ピンク・パンサー5/クルーゾーは二度死ぬ)という作品が作られたが、サントラ盤にはならなかった。映画で聴くとテーマ曲にはシンセサイザーがフィーチャーされていた。

ピンク・パンサーの息子
SON OF THE PINK PANTHER (1993)

ピンク・パンサー・シリーズ誕生30周年を記念して製作された番外編。クルーゾー警部の、これまたドジな息子である警官が主人公。お歳を召されたドレフュス役のハーバート・ロムと、ケイトー役のバート・ウォークが懐かしそうに演じている。音楽のほうは少々重たいシンフォニック(だって演奏がロンドン響だから)だが、怪しげな雰囲気はバッチリ。レスリー・ブリッカス作詞による勇壮な「God Bless Clouseau」は秀逸。ラストにピンク・パンサーのテーマが、再結集されたヘンリー・マンシーニ楽団によって、オリジナルに近いアレンジで演奏されている。なお、当アルバムがマンシーニの最後の映画音楽となった。映画の冒頭、マンシーニがアニメのピンク・パンサーに指揮棒を託すシーンがあって、我々は感無量となる。

アルティメット・ピンク・パンサー
The Ultimate Pink Panther (2004)

ピンク・パンサー誕生40周年記念盤。シリーズ6作品のサントラスコアからのベストセレクト。全24曲。

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