ブレーク・エドワーズ作品サントラ

ピーターガン
PETER GUN (1958)

言わずと知れた伝説のTVシリーズ。ブレイク・エドワーズ監督との初コンビ作品である。8ビートによるワンコードのスリリングなテーマ曲、メロウなラブテーマ「ドリームズビル」ほか、それまでに類を見なかったこのジャージーでユニークなサウンドは、番組と共に大ヒット。この大成功がヘンリー・マンシーニを世界にはばたかせることになる。当アルバムは当時珍しかった8トラックマルチレコーダーで録音され、ステレオでミックスダウンされている。また、後年巨匠となるジョン・ウィリアムスがピアノで参加している。このテーマ曲は今もなお世界中のアーチストから注目を浴び、カバー演奏され続けている。なおこのアルバムは同年度のグラミー賞に輝いた。

ついてる奴
MR.LUCKY (1959)

「ピーターガン」に続くTVシリーズ。 1943年の同名映画(ケーリー・グラント主演)をベースに作られたコメディだ。ヘンリー・マンシーニ快進撃!ハモンドオルガンをフィーチャーした都会的で洒落たテーマ曲は絶品。「ブルーサテン」などアダルトなものから、明るく陽気なものまでが目白押し。全体的には上品で爽やかなラテンタッチで仕上がっている。

ゲパルト・パパ
HIGH TIME (1960)

ビング・クロスビー主演のほのぼのホームドラマ。定年後、何を思ったか大学生になったお父さんの奮闘キャンパス生活。このサントラは地味ながらも個性的で、安定したタッチが心地よい。メインタイトルは愉快なおとぼけマーチで、いかにも楽しげ。曲の雰囲気や構成は「ティファニーで朝食を」によく似ていて、ビッグバンドによる様々なタイプのジャズやラテンが聴ける。

ティファニーで朝食を
Breakfast at Tiffany's (1961)

あまりにも有名なオードリー・ヘプバーン主演の「ティファニーで朝食を」。この作品で、マンシーニはアカデミー劇映画音楽賞と、「ムーン・リバー」で主題歌賞の両部門を受賞。内容はバラードありスイングあり油っぽいラテンありとバラエティ溢れる構成となっていて、聴いて楽しめるアルバムである。映画会社は当初「ムーン・リバー」にケチをつけた。しかし「ムーン・リバー」を聴いて虜になったオードリーが、強くこの歌の良さを訴え、使用を求めてようやく採用になったのだという。ところが未曾有の大ヒット!これでマンシーニの名は世界中に知れ渡ることとなった。

追跡
Experiment in terror (1962)

わずかな情報を手がかりに犯人を追及していくFBIの捜査官を描いた、グレン・フォードとリー・レミック主演のサスペンス・スリラー。マンシーニは緊張感のあるスコアを提供した。アルバムでは、軽快なビッグバンドサウンドを中心に、彼らしい作品が集結。

グレートレース
The Great Race (1965)

1920年時代のアメリカを舞台にしたトニー・カーチス、ナタリー・ウッド主演のドタバタ喜劇。耐久レースに賭ける者たちとそれを邪魔する悪玉たちの攻防戦をゴージャスに描いたもので、音楽にもそれぞれのキャラの性格や雰囲気が存分に現されている。賑やかなテーマ「グレートレース・マーチ」、コーラスの美しい「スイートハートツリー」ほか、どの曲も楽しげなナンバーばかり。圧巻はパイ投げのクライマックスに流れる「パイ投げポルカ」だ。

地上最大の脱出作戦
What Did You Do in the War, Daddy? (1966)

第二次大戦下の シチリア島を舞台に、ズッコケた乱戦が展開するお馬鹿戦争コメディ。だからイタリア民謡っぽい音楽がぎっしり。間抜けなブラスバンドによるタイトルも愉快だし、女装脱出シーンに流れる挿入歌 In the arms of love はロマンチックで、アンディ・ウィリアムズがカバーしてヒットさせたほど。

銃口
Gunn (1967)

私立探偵ピーターが活躍するハードボイルド・アクション、TVシリーズ「ピーターガン」をカラーで映画化。お馴染みのテーマ曲はより洗練されたアレンジで演奏され、ジェイ・リヴィングストンとレイ・エヴァンスが歌詞をつけたボーカルヴァージョンも楽しめる。「ドリームズビル」のコーラスヴァージョンのほか、軽快さの光るオリジナルスコアの数々。尚、当映画で、マンシーニはピアニスト役でスクリーンデヴュー。

パーティ
The Party (1968)

エドワーズお得意のシチュエーション・コメディ。有名な映画プロデューサー邸で催されたパーティに、まちがって招待されたインド人エキストラ俳優(ピーター・セラーズ)。彼の一挙手一投足が、意に反してことごとく破壊と混乱を招く、といった、ただそれだけのお馬鹿映画である。しかしこのサントラは素晴らしい。テーマ曲はシタールの使い方の面白い、ヘンな歌で愉快愉快。ほかは上品でジャージーなムード音楽の数々がアップされている。劇中、クロディーヌ・ロンジェがギター片手に可愛く弾き語るボサノバ「Nothing to lose」が美しくキュート。

暁の出撃
Darling Lili (1970)

エドワーズが新妻ジュリー・アンドリュースを主演に撮ったミュージカル。第一次大戦真っ只中のロンドンを舞台に繰り広げられる。作詞マーサー・音楽マンシーニのコンビによる初めてのミュージカル映画として、忘れる事はできない作品だ。その音楽は地味ながら極めて上質で、ジュリーの歌も存分に楽しめる。

テン
10 (1979)

この世に10点満点の女性は存在するだろうか。そんなテーマに惑わされている作曲家(ダドリー・ムーア)の目の前に、美女(ボー・デレク)が現れて…。エドワーズ監督夫人ジュリー・アンドリュース共演のロマンティック・コメディ。音楽が実に上質で、タイトルをマンシーニが、挿入曲をムーアが独奏したり、アンドリュースが歌ったりムーアとデュエットしたり。その間にはマンシーニお得意のラウンジ風チューンの数々。ラストにボレロまで登場する。このサントラこそ、大人のムード十点満点だ。

ビクタービクトリア
Victor/Victoria (1982)

男装の麗人ジュリー・アンドリュースが活躍するシチュエーションコメディー「ビクター・ビクトリア」。この作品でマンシーニは再びオスカー(作曲賞)を手にする。舞台はショービジネス界。アコーディオンの美しいテーマ曲をはじめ、劇中劇の為に書かれたミュージカルナンバー目白押し。当時ジュリーは47歳だったが、脂の乗り切った充実の歌唱を披露していて素晴らしい。フィナーレは最高!

グッバイ、デイビッド
The Man Who Loved Women (1982)

有名彫刻家デイビッドの葬儀に集まった女性たちによって、「美しい脚」に執着する彼の性癖が語られていく…。バート・レイノルズとジュリー・アンドリュース主演のシニカルなコメディ。マンシーニは美しくも悲しげなテーマ曲を提供。

スウィッチ 素敵な彼女?
SWITCH (1991)

女性に生まれ変わったプレイボーイが友達らの悪ふざけで殺されてしまうが、神様に「一人の女性に真剣に愛されたなら生き返らせる」と言われ、現世に戻ってくる…。エレン・バーキン主演のファンタジックなシチュエーション・コメディ。マンシーニは重たいシンフォニックから離れ、久々にソフトタッチのジャージーなスコアを書き下ろした。

ビクタービクトリア (ブロードウェイ版)
Victor/Victoria (Original Broadway Cast) (1995)

「ビクター・ビクトリア」は1995年にブロードウェイで舞台化された。病床にあったマンシーニだったが、追加の新曲をいくつも作曲。これが遺作となった。亡くなる数日前までスコアに向き合って推敲を続けていたという。

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